テーマ 111 管理職者として、“期限重視” “実践ありき”
“迅速な行動” で変化に対応する
■担当部署の現状は常に十分理解しておくこと
担当部署の目標を設定する際、
多くの管理職者の方が、
まずは、現状の仕事の棚卸や業務内容の分析を行い、
その結果を踏まえて問題点を抽出するという作業を行います。
また、現状分析に多大な労力や時間をかけており、
最悪の場合は、時間だけがすぎ、
結局何も行われないということもあります。
研修内で管理職者の方に聴いてみると、
上記のような現状分析から得られる問題点は、
日常の仕事の中で、管理職の方自身が、
すでに十分分かっていることであることが多くあります。
当然、内容や状況によっては、
時間をかけて詳細に現状分析を行うことも必要ですが、
基本的には、
自部署の現状の問題点は、
本来、管理職者として日頃から十分分かって
いなければならない事項ともいえます。
あえて時間をかけて行ってはいけない仕事といえます。
■「まずは行ってみる、実践ありき」が重要な時代
アマゾンの創設者、ジェフ・ベゾス氏の言葉に下記の様なものがあります。
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「アマゾンでのわれわれの成功は、
年に、月に、週に、どれだけ実験するかの関数だ。
まちがうと少し傷つくかもしれないが、遅れれば命がない」
「試す実験の数を100から1000に増やせれば、
生み出すイノベーションの数は劇的に増える」
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本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏の口癖に
「やってみもせんで何がわかる」と言葉があります。
今、ビジネス関係の書物やネットの中では、
「まずは行ってみる、実践ありき」が重要な時代と紹介されています。
■「まずは行ってみる」→
「行ってみた結果を見ながら計画を練り上げ
期日までに目標を達成する」
今の時代を表現する言葉として、
「VUCA(ブーカ)」
Volatility:変動性、
Uncertainty:不確実性、
Complexity:複雑性、
Ambiguity:曖昧性
という言葉がよく使われます。
「環境変化のスピード複や雑性、不確実性増が増し、
将来の予測が困難な状況」
となっていると考えられます。
このような中では、
考え抜いて行動計画を立てることは当然必要ですが、
迅速に行動を行わないと、環境がすでに変わっていたり、
競合企業に先を越されていたりと
今までの経験から得ている予測や最適と思える行動が
通用しない状況が起こる可能性も多分に考えられます。
リスク管理を万全に行うため、
徹底して現状分析やデータ収集を行い、
新たな仕事などに取り組む理由を明確にしておくことは
合理的で大切な面もありますが、
過剰に行っても、VUCAといわれる時代では、
ケースによっては理屈として合理的ではない面もあるかもしれません。
いつの時代でも、「やってみもせんで何がわかる」という言葉は、
職場においては、本質を突いたことばとも言えます。
短期間のサイクルで状況がどんどん変わっていく現状では、
今までの経験値や考え方に
プラスαを取り入れレベルアップしなければなりません。
基本的には、
今の現状は、管理職者の方に、
“期限重視”“実践ありき”“迅速な行動”
が、一層求められている状況といえます。
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